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死亡保険

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自分に万が一のことが起きた場合に備えて、死亡保険の加入を検討している人もいるのではないでしょうか。一方、保険料が高かったり、貯金で間に合うのではないかなど、自分に死亡保険が本当に必要か悩むケースもあるでしょう。

そこで今回は、死亡保険の概要に触れつつ、メリットや加入するべき人の特徴について詳しく解説します。

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死亡保険とは

死亡保険とは、被保険者が死亡した場合、遺族(受取人)に対して保険金が支払われる保険です。また、保険の条件によっては被保険者が高度障害になった場合でも保険金が支払われるケースもあります。

死亡保険の保険金は葬儀費用やお墓代、遺族の生活費や学費など、何にでも自由に使えます。

死亡保険の種類は次の3種類です。

種類保険期間保険金の受取条件解約返戻金の有無
終身保険保険期間が定められていない解約しない限り、死亡保険金を受け取れる解約時には、支払った保険料の一部が解約返戻金として受け取れる
定期保険保険期間が定められており、継続する場合は契約を更新する必要がある基本的に被保険者が死亡した場合、死亡保険金を受け取れる契約終了時および解約時に解約返戻金は受け取れない
養老保険保険期間が定められている被保険者が死亡した場合、死亡保険金を受け取れる被保険者が生存中に保険期間が終わると死亡保険金と同額の満期保険金を受け取れる

定期保険は解約返戻金を受け取れないため、終身保険や養老保険と比較すると保険料は安い傾向にあります。養老保険は保険期間が終わると満期保険金を受け取れるため、保険料は高い傾向にあります。

死亡保険と生命保険はそれぞれ別の保険と考えている人もいるでしょう。しかし、生命保険は人の生死に関する保険金を受け取れる保険です。そのため、一般的に生命保険の枠の中に死亡保険があるといえます。

生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、万が一、死亡した場合の資金面の準備として、18〜79歳の男女個人のうち79.8%(N=4,844)と半数以上の人が生命保険に加入していることがわかります。

死亡保険に入るメリット

死亡保険

死亡保険の保険金は遺された家族が受け取ります。家族が被保険者の収入で生活していた場合、死亡保険に加入しておけば亡くなった後の経済的リスクに備えることが可能です。

ここでは、死亡保険に入るメリットについて詳しく解説します。

遺された家族の経済的リスクに備えることができる

死亡保険は、貯蓄ではまかなうのが難しい経済的リスクに備えられる点が大きなメリットです。被保険者が突然亡くなった場合でも、死亡保険金によって葬儀費用や遺族の生活費などの用意ができます。 もし、あなたに生活を支えるべき家族がいる場合、万が一の経済的リスクを軽減させるためにも死亡保険への加入がおすすめです。

死亡保険金には非課税枠を利用できる

死亡保険金は、被保険者と受取人の関係によって非課税枠を利用できます。

まず、保険にかかわる立場は次の通りです。

立場詳細
契約者保険料を支払っている人
被保険者保障の対象となっている人
受取人保険金を受け取る人

受取人が法定相続人(被相続人の財産を相続できる人)の場合、非課税枠を利用できます。死亡保険金を相続するにあたって、「500万円×法定相続人の数」までは相続財産に加算されず、非課税になります。

たとえば、父親が死亡し、母親と3人の子ども(計4人)が法定相続人の場合、法定相続人は4人です。そのため、500万円×法定相続人4人で2,000万円まで非課税になります。保険金が1,000万円の場合、相続税は課税されません。保険金が3,000万円の場合、非課税枠を超えた1,000万円が相続税の課税対象になります。

関連記事:【FP監修】死亡保険金の相続税はいくらかかるの?非課税枠や確定申告など解説

死亡保険がいらないといわれる3つの理由

説明をする男性

「万が一のときに対応できる貯蓄がある」「養う家族がいない」などという理由で、死亡保険に加入していない、検討していない人もいます。

ここでは、死亡保険がいらないといわれる下記3つの理由について解説します。

  • 貯蓄でまかなえるから
  • 養う家族がいなければ不要だから
  • 遺族年金があるから

貯蓄でまかなえるから

死亡保険をはじめ、さまざまな保険は万が一の場合に備えるものです。そのため、葬儀費用やお墓代等がまかなえる貯蓄があれば、死亡保険は不要と考える人も多いでしょう。

しかし、自身に万が一があった際に準備すべきなのは死後の整理金のみではありません。家族がいる場合、当面の生活費も遺しておかなければならないケースがあります。貯蓄でまかないきれると考えている人も、家族構成やライフステージを考慮して本当に貯蓄で足りるのかを試算し、必要あれば死亡保険の検討を行うとよいでしょう。

養う家族がいなければ不要だから

保険金を家族の生活費や子どもの教育費などに充てるために、死亡保険に加入するケースが多いでしょう。また、保険金の受取人は配偶者や2親等以内の血族に限定されている場合が多く、養う家族がいない場合、死亡保険に入らないという選択肢もあります。

しかし、養う家族がいない場合でも、親族らに葬儀費用やお墓代などの負担がかかるケースもあり、その分をまかなうためにも死亡保険への加入を検討するのもよいでしょう。

遺族年金があるから

公的制度の1つに遺族年金があります。遺族年金とは、世帯主が死亡した際に、遺族に対して支給される年金です。年金の加入状況によって遺族基礎年金と遺族厚生年金のいずれか、または両方の年金を受け取れます。

2023年4月時点における遺族基礎年金の支給額は次の通りです。

死亡時の年齢支給額(年額)
67歳以下の場合795,000円+子の加算額
68歳以上の場合792,600円+子の加算額

遺族に子どもがいる場合、加算額は次のようになります。

項目加算額
第1子及び第2子各228,700円
第3子以降各76,200円

遺族厚生年金は亡くなった人の厚生年金の加入期間や報酬の額を基に計算されます。

場合によっては遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が支給されるため、死亡保険がいらないと考える人もいます。しかし、遺族基礎年金の支給額を見ると、遺された家族の生活費をまかなうには不十分といえるでしょう。

死亡保険に入るのがおすすめな人

死亡保険は遺された家族の経済的リスクに備えることが可能です。死亡保険はどのような人に向いている保険といえるのでしょうか。

ここでは、死亡保険の加入がおすすめな人について解説します。

貯蓄が少ない人

葬儀費用やお墓代など死後には多くの費用が発生します。葬儀にかかる費用は基本的に分割払いはできません。

たとえば、葬儀関係だけでも次のような費用が発生します。

  • 葬儀費用
  • 寺院費用
  • 飲食接待費用
  • 墓地・墓石費用

中でも、葬儀費用は約183万円(※1)、墓地・墓石の費用は約169万円(※2)かかるケースもあります。

家族などに経済的な負担をかけないためには、相応の金額が必要です。現状の貯蓄のみでは死後に必要な費用が不足しそうな人は、死亡保険への加入をおすすめします。

  • ※1:2020年8月当社着加入者アンケート結果より葬儀費用の平均額
  • ※2:一般社団法人 全国優良石材店の会「2022年お墓購入者アンケート調査」より墓石購入価格の全国平均額

家族がいる人

扶養している家族がいる場合、当面の生活費を用意する必要があります。

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2022年平均」によると、2人以上の世帯における1か月の消費支出は1世帯あたり約29万円です。万が一、世帯主が死亡した場合、毎月の生活費をカバーできる収入源を確保することが必要です。

子育て世代など若い世代においては、十分に貯蓄の準備ができていない家庭も多いでしょう。加えて、子どもが幼いもしくは学生の場合、教育費も用意しなければなりません。

文部科学省の「令和3年度 子供の学習費調査」では、公立と私立の幼稚園・小学校・中学校・高等学校の子ども1人当たりにかかる経費が公開されており、年間に発生する学校教育費や給食費、学校外活動費の平均額が掲載されています。

学校種別の年間学習費の平均は次の通りです。

学校種別年間の学習費総額(平均)
幼稚園公立165,126円
私立308,909円
小学校公立352,566円
私立1,666,949円
中学校公立538,799円
私立1,436,353円
高等学校公立512,971円
私立1,054,444円

私立の小学校・中学校・高等学校の場合、年間で平均100万円以上の学習費がかかります。また、文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、2021年度の授業料等の費用は以下とされています。

項目入学初年度
(授業料・入学料の合計)
次年度以降の授業料
国立大学817,800円535,800円
公立大学927,668円536,363円
私立大学1,176,894円930,943円
  • ※国立大学は国が示す標準額、公立大学・私立大学の額は平均で、公立大学入学料は地域外からの入学者の平均。

このように子どもの教育には多額の費用がかかります。家族の生活費に加え、子どもの教育費もかかることを想定し、死亡保険による経済的リスクへの備えが必要といえます。

自分の目的や状況から死亡保険が必要か考えよう

ライフスタイルによって死亡保険が必要ではないと考える人もいるでしょう。しかし、万が一のことが起こった場合、葬儀費用や墓地・墓石費用といった葬儀関係の費用を用意する必要があります。また、家計を支える世帯主が死亡した場合には、遺される家族の当面の生活費や教育費など、まとまった金額を用意しなければなりません。

貯蓄が少ない人や家族がいる人は、遺された家族の経済的リスクに備えるために死亡保険への加入を検討しましょう。

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