自動車保険には「特約」という基本補償にオプションで契約するプラスの補償があります。自動車保険に契約する時、代理店の担当者などに勧められるままに申し込んでいる事もあるのではないでしょうか。自動車保険の特約は、補償の内容をしっかり理解し、必要かどうかを検討する事が大切です。
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自動車保険の「基本補償」と「特約」
自動車保険には、強制保険とも言われるすべての車の所有者に加入が義務付けられている自賠責保険と、自賠責保険でカバーしきれない損害に備えて契約する自動車保険(任意保険)があります。自動車保険(任意保険)の加入率は乗用車だけで90%程度ですが、万が一の事故のリスクを考えると自動車保険(任意保険)にも契約して十分な補償を準備しておくことが必要でしょう。
自動車保険(任意保険)には、主軸となる基本補償と補足したい補償を選べる特約があります。
基本補償とは
自動車保険の基本構成は3種類で7つの基本補償で構成されています。保険会社によって、この7つの基本補償からあらかじめいくつかの組み合わせが決められており自動セットされていることが一般的です。
基本補償の中で特に対人賠償保険と対物賠償保険は相手への補償として重要であり、ほとんどの保険会社で基本補償として自動セットされています。設定する保険金額は自分で選択することができますが、交通事故での高額な賠償金リスクを考えると無制限に設定しておくことが望ましいです。また、自分への補償として人身傷害補償保険も自動セットとなっていることが多いようです。
特約とは
自動車保険の特約は、基本補償にプラスするかたちで補償を手厚くするために保険会社で用意されているオプションになります。基本補償に組み込まれて自動セットされている特約もあるなど、保険会社によってパッケージ化されて補償内容の差別化として使われています。オプションとなる特約には保険会社によってさまざまな種類があり、それぞれ名称も異なります。特約には、補償内容を充実させるための特約と、補償を限定させ保険料を安く抑えることができる特約があります。代表的な特約の一部を紹介します。
弁護士費用特約
弁護士費用特約とは、自動車に起因する人身被害事故や物損被害事故にあった場合に、相手方に損害賠償請求を行う場合に生じる弁護士費用や、法律相談をする場合の費用に備える保険です。法律上、「もらい事故」などで100%自分に過失がない時は、自分が契約している保険会社は事故相手と示談交渉を行うことができません。そのような場合において、費用の負担を気にする事なく不慣れな示談交渉を弁護士に委任する事ができる特約となっています。
他車運転特約(他車運転危険補償特約)
他車運転特約とは、契約の車以外を借りて運転中に起こしてしまった自動車事故を自分の車の自動車保険を利用し、補償を受ける特約です。他人の車などを運転する時の事故のリスクに備えることができます。
ファミリーバイク特約
ファミリーバイク特約とは、125cc以下の原付バイクを運転中に事故をおこしてしまった時に相手への損害賠償や自分が負ったケガに対して保険金が支払われる特約です。ファミリーバイク特約の契約があれば、125ccのバイクでの事故は補償の対象となり、自動車保険の年齢制限にも影響がないのが一般的です。
対物差額修理費用補助特約(対物超過特約)
対物差額修理費用補助特約(対物超過特約)とは、対物賠償保険で補償する事故で、相手の車に時価額を超える修理費用が発生した時に補償をする特約です。自動車保険の対物賠償保険は賠償する金額は時価額までとなっているため、時価額を超える修理費用が発生したときにこの特約があれば相手とのトラブルを防ぐことができます。
個人賠償責任特約
個人賠償責任保険とは、日常生活における偶然の事故により他人にケガをさせてしまったり、他人が持っているものを壊してしまい法律上の損害賠償責任を負った場合に備える保険です。自動車保険でも特約として個人賠償責任保険を付帯することが可能となっていますが、火災保険などでも特約として付帯する事が可能な保険のため重複契約に注意しましょう。
運転者限定特約
運転者限定特約とは、だれが運転してもよい状態から運転する人を限定することでリスクを減らし、保険料を安くすることができる特約です。家族構成やライフスタイルの変化によって必要な運転者の範囲を見直すことで保険料を安く抑えることできる特約です。限定できる種類は、下記のようになります。
限定される範囲が限られるほど保険料は安くなります。家族限定の範囲は契約する保険会社に確認しておきましょう。
運転者年齢条件特約
運転者年齢条件特約とは、補償の対象となる運転者の年齢を限定し、保険料を安く抑えることが出来る特約です。運転者の年齢区分は、保険会社によって違いはありますが、概ね下記のように区分けされています。補償の対象となる運転者の年齢が限られるほど保険料は安くなります。
- 全年齢補償
- 21歳以上補償
- 26歳以上補償
- 30歳以上補償
- 35歳以上補償
特約を利用すると等級は下がるの?
自動車保険の等級は、特約であっても基本補償と同様の扱いとなります。3等級ダウンの事故、1等級ダウンの事故で保険を利用すれば等級は下がります。ノーカウントの事故であれば等級は下がりません。特約で契約した補償を利用した場合に等級に影響するかどうか不安な場合は保険会社に確認しておくといいでしょう。
ノンフリート等級制度では、基本補償においても特約においてもノーカウントの事故で保険金を受け取った場合は、事故件数とは数えず、翌年の事故有係数適用期間の加算もありません。等級に影響しない補償については、事前に確認しておきましょう。例えば下記のような補償がノーカウント事故の扱いになります。
- 人身傷害保険
- 搭乗者傷害保険
- 無保険車傷害保険
- 弁護士費用特約
- ファミリーバイク特約
- 個人賠償責任特約
自動車保険を使う場合において、車両保険を例とすると、保険を使って車の修理を行えば等級に影響します。このような場合、翌年度の保険料を考えると保険を使わない方がいいケースもあります。事故によって保険を使った方がよいか使わない方がよいか判断が難しい場合は契約している保険会社に相談するとよいでしょう。
特約で高くなった保険料を安くするには?
自動車保険には、基本補償の他にオプションなどを組み合わせて補償を手厚くする事が可能です。当然ですが、自動車保険は補償の内容を手厚くすればするほど保険料は高くなります。そのため、補償内容は十分に、保険料を出来るだけ安く抑えるために自動車保険会社の割引なども利用しましょう。割引には以下のようなものがあります。
- 新車割引
- ゴールド免許割引
- ASV割引
- セカンドカー割引
- 走行距離割引
また、自動車保険はダイレクト型(通販型)の自動車保険を選択すると保険料を安くする事ができます。自動車保険は保険会社でも大きく分けて「代理店型」と「ダイレクト型」(通販型)の2種類あります。WEBや電話などで直接申し込むダイレクト型は代理店手数料などが不要なためその分保険料が安いので保険料を少しでも抑えたい人はダイレクト型を選ぶとよいでしょう。
まとめ
自動車保険は、保険会社があらかじめいくつかの基本補償や特約を組み合わせてセットにした補償内容に、補償を充実させるために保険会社が販売しているオプションの補償を追加して契約します。特約は、保険会社によって名称や内容が様々なので補償内容をしっかり確認し契約しましょう。補償を手厚くすればするほど保険料は高くなりますので、自動車保険会社の割引も上手に利用し、充実した補償で安く契約できるとよいでしょう。それには一括見積もりサイトなどを利用して各保険会社を比較してみるのが大切です。
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