住宅を取得する際、頭を悩ませることの一つが「住宅ローン」です。
さまざまな住宅ローン商品が各金融機関から提供されているため、「どの住宅ローンがいいのか」「自分に合った住宅ローンは何か」と迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は住宅ローンの選び方について解説していきたいと思います。住宅ローンを選びはじめた時に決めることや、上手な金融機関の選び方について確認していきましょう。
本記事のリンクには広告が含まれています。
この記事の著者
マネーブロガー / 現役FP
マネル
Maneru
詳しいプロフィール
プロフィール
マネルート運営者 / FP事務所代表 / 日本FP協会AFP認定者
当ブログ「マネルート」では、8年間で2,000人以上コンサルしてきた現役FPの僕(マネル)が、お金にまつわる「知らないだけで損してる」をなくすため、初心者でもマネして実践できるお金のノウハウを発信しています。
プロフィール詳細 / LINEで相談する / お問い合わせ
住宅ローンを借りたい!何をいちばんに確認する?
住宅ローンを借りる際に、まず考えておきたいのは、取得する住宅の内容です。具体的には、「どのくらいの広さ・設備を求めるのか」「どこに家を購入・建築するか」です。住宅は、広さや設備で金額が大きく変わります。また、場所によっても金額が変わるのはご存じの通りです。
また、マンションの場合は毎月の住宅ローン返済に加え、管理費の支払いもしないといけませんし、戸建住宅も定期的に住宅の修繕が必要になります。それらの住宅ローンの返済額以外にかかる費用を考慮しながら、ご自身の予算と相談しながら、取得する住宅を決めていきましょう。
次に、大事なのが自己資金をどのくらい出せるかです。
一般的に、住宅ローンを組む際の自己資金は、物件価格の20%以上が理想とされています。例えば、4,000万円の物件では800万円の自己資金が望ましいということです。しかし、金融機関の中には「頭金0円でもOK」とするところもあります。
- 借入金を多くして自分のお金は万が一のときのために貯めておく
- 自己資金をなるべく多くして借入金額を減らす
自分の世帯にとってどちらがよいのかについては、家族でしっかりと話し合うことが大切です。
住宅ローン選びで押さえておきたい7つのポイント
住宅ローンを選ぶ際は、どんなポイントを押さえておけばいいのでしょうか。今回は、重要な7つのポイントについてご紹介します。
1.どのくらい借りられるかもチェック!
「自己資金を少なくして借入金を多くしたい」と考えても、借り入れできるかは金融機関の審査次第です。まずは、自分の収入でどのくらいの金額を借りられるかを確認してみましょう。
多くの金融機関のホームページでは、年収・希望する借入期間を入力すると借入可能金額が算出されるシミュレーションが提供されています。同じ年収でも、借入期間が長いほうが借入可能金額は大きくなる傾向です。条件を変えながらいろいろと試してみましょう。
借り換えメリットシミュレーションはこちら
2.住宅ローンの「借入先」を選ぶ
住宅ローンの借入先を考えましょう。住宅ローンは、大きく分けて以下の3つです。
- 銀行(民間金融機関)の住宅ローン
- 公的融資(財形住宅融資)
- フラット35
【銀行(民間金融機関)の住宅ローン】
銀行ごとに住宅ローンの特色があります。
銀行の種類 | 住宅ローンの特徴 |
---|
都市銀行 | 全国に支店があり、窓口対応が可能大手顧客が多く、審査が厳しめ。審査時に個人客の事情を考慮してもらえない可能性あり |
---|
地方銀行 | 地元密着の経営で窓口対応も可能審査時に個人客の事情を考慮してもらえる可能性あり一般的にネット銀行や都市銀行に比べると金利が高め |
---|
ネット銀行 | 一般的に金利が低め来店できる窓口がないため、やり取りはすべてウェブ上や電話で行うケースが多い不明点を自分で調べたり、聞いたりすることができる人向き |
---|
近年は、窓口がある都市銀行や地方銀行でもウェブ上で住宅ローンの申し込みや契約ができるところも増えています。銀行の住宅ローンは、多くの金利タイプから希望するものを選択できる点も大きなメリットです。
【公的機関(財形住宅融資)】
住宅金融支援機構が提供する「財形貯蓄」をしている人のための融資です。融資手数料が無料というメリットがあり、住宅ローン契約にかかる費用を節約したい場合におすすめです。ただし、申し込みできる人には以下のような条件もあります。
- 財形貯蓄を1年以上継続して行っている人
- 申込日における財形貯蓄残高が50万円以上ある人
- 勤務先から負担軽減措置など、住宅についての援助を受けられる人
など
金利は5年ごとに見直しがあります。見直し時に金利が上昇していると返済額も上がる点は気を付けておきましょう。
【フラット35】
住宅金融支援機構が提供している全期間固定型の住宅ローンです。全国300以上の金融機関で取り扱いがあります。全期間固定金利型のみのため、契約から完済まで金利の見直しがありません。また、健康上の問題などで団体信用生命保険に加入できない場合、銀行では住宅ローン契約を断られますが、フラット35であれば契約できる可能性があります。
3.金利タイプを選ぶ
住宅ローンを契約する際は、金利タイプの選択も必要です。金利タイプは、大きく分けると2つあります。
金利タイプ | 特徴 |
---|
変動金利 | 金利は固定金利より低い半年に1回金利の見直しがあることが多い |
---|
固定金利 | 金利は変動金利より高め定められた期間は金利が変わらない契約期間中金利見直しがない「全期間固定タイプ」もある |
---|
変動金利と固定金利のどちらがいいかは、今後の金利をどのように予測するかによっても異なります。例えば、「将来金利が下がると考えるならば変動金利」「将来金利が上がると考えるならば固定金利」というのが一つの目安です。
また、家計管理の面も考える必要があります。例えば、今後10年程度教育費がかかる世帯の場合は、金利の変更で返済額が変わると家計にかかる負担が重くなる可能性も否めません。一定の期間返済額を変えたくない場合は、その時期だけ固定金利を選ぶことも検討してはいかがでしょうか。
4.万が一に備えて「団体信用生命保険の保障内容」を検討する
団信(団体信用生命保険)は、住宅ローン契約者が死亡したり高度障害状態になったりした場合に残ったローンを保険金と相殺できる保険です。多くの住宅ローンでは、加入が条件になっています。
また、各金融機関では死亡・高度障害状態以外の保障が付いた団信を取り扱っていることも多い傾向です。ここでは、SBI新生銀行の例をご紹介します。
・ガン団信
死亡・高度障害状態に加え、ガン(悪性新生物)にかかり診断確定された場合、もしくは医師により余命6ヵ月以内と宣告された場合、保険金から住宅ローンの残高が支払われます。
住宅ローン契約時に一般的な団信とガン団信、いずれかを選択して加入しますが、借入時点で満50歳未満の人限定です。また、選択した金利タイプに0.1%~03%程度の上乗せがあります。(SBI新生銀行の場合、選択した金利タイプに0.1%の上乗せ)
・安心保障付団信
住宅ローン契約者が以下に該当した場合、保険金から住宅ローン残高が支払われます。
- 公的介護保険制度の要介護3以上に該当していると認定されたとき
- 次のいずれかに該当し、その状態が該当した日から起算して継続して180日あることを医師によって診断確定されたとき
- 「歩行」「衣服の着脱」「入浴」「食物の摂取」「排せつ」の5つのうち1つが全部介助、かつ他の1つが全部介助または一部介助の状態に該当
- 上記5項目のうち3項目が一部介助の状態に該当
- 器質性認知症、かつ、意識障害のない状態において見当識障害があると診断確定されたとき
安心保障付団信は、一般的な団信に付加して加入します。金利の上乗せはありません。
5.「手数料・諸費用」を検討する
住宅ローンを選ぶ際は、「金利が低いほうがいいのでは?」と思う人も多いかもしれません。低金利の金融機関をがんばって探している人もいるでしょうが、住宅ローンの事務取扱手数料や諸費用についてもチェックしておくことが重要です。
なぜなら、手数料や諸費用は、金融機関ごとに自由に設定できるため、低金利でも手数料や諸経費も低いとは限らないからです。住宅ローンを選択する際は、金利だけでなく手数料・諸費用も比較しておきましょう。
住宅ローン契約時にかかる諸費用には、主に次のようなものがあります。
費用 | 内容 |
---|
事務取扱手数料 | 金融機関へ支払う手数料で定額型や定率型などがある |
---|
保証料/保証事務手数料 | 契約者が返済を続けられなくなった場合、残債を保証会社から金融機関へ一括返済してもらう保証料保証会社にも事務手数料を支払うケースもあるSBI新生銀行は保証会社を使わないため、保証料は不要 |
---|
団体信用生命保険 | SBI新生銀行含め金融機関が負担する場合も多い3大疾病や8大疾病など特約が付く場合は金利が上乗せされるケースが多い |
---|
火災保険料 | 住宅ローン返済中は加入を義務付けられる金融機関が多い |
---|
抵当権設定登録免許税/司法書士報酬 | 住宅ローンを借り入れした金融機関が対象不動産へ抵当権の設定をする際にかかる登録免許税手続きを司法書士に委任すると別途司法書士報酬もかかる |
---|
印紙税 | 金銭消費貸借契約書に貼って納税するSBI新生銀行の場合、電子契約を利用すると印紙税は不要 |
---|
保証料や印紙税など、金融機関や契約方法によっては不要になるものもあります。住宅ローンを選ぶ際は、どのような諸費用がかかるのかまでしっかりと確認しておきましょう。
6.「返済方法」を選ぶ
住宅ローンの返済方法には、以下の2つがあります。契約したい住宅ローンがどちらの方法を選択しているかは、必ずチェックしてください。
元利均等返済 | 返済額が完済まで一定のため、家計管理がしやすい点がメリット借入期間が同じ場合、元金均等返済よりも総返済額が多くなる |
---|
元金均等返済 | 元利均等返済より元金の減りが早く、総返済額も少ない返済開始当初は返済額が多く、返済が進むと徐々に返済額が少なくなる借り入れ当初の返済額が重くなる点に注意が必要 |
---|
SBI新生銀行の住宅ローンは、借り入れから完済まで返済額が一定の「元利均等返済」です。
7.銀行に相談する。相談のしやすさをチェックしよう!
金利や手数料だけでなく、「相談しやすい金融機関を選択することも大切です。金利が低いなど条件が良くても、「相談窓口が少ない」「受付時間が短い」という金融機関では、落ち着いて話を聞くことが難しいでしょう。
金融機関の中には「土日でも金融機関の窓口で対応可能」「住宅ローン専門のコールセンターがある」「ビデオ通話で相談できる」といったところもあります。金利・手数料・サービス面を総合的に判断して契約する金融機関や住宅ローンを決めましょう。
コメント