ローンでの払いは、車を購入する際の代表的な支払い方法です。車の購入に特化した「マイカーローン」は一般的なローンと同様に、金融機関の審査を受け借り入れをし、それを購入費用に充てることができます。
しかし、このマイカーローンの仕組みや種類などが分からない、審査が不安だと感じる方もいるのではないでしょうか。この記事ではマイカーローンの仕組みをはじめ、ローンの選び方や審査にあたっての注意点をご紹介します。マイカーローンを検討する際の参考にしてください。
■POINT
・マイカーローンについての仕組みが分かるほか、ローンの種類について知ることができます。
・自分にあったローンの選び方が分かるほか、ローン審査の注意点と審査が通りやすくなる方法について知ることができます。
・審査が不安な人におすすめの方法、中古車購入を検討する場合のおすすめ販売店を知ることができます。
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マイカーローンの仕組み
車を購入する方法には一括払いの他にマイカーローンがあります。多くの人が選択する支払い方法ですが、なかにはローンと聞くと複雑なものだと身構えてしまう人もいるでしょう。
安心してにマイカーローンを利用するためにも、ここではローンの仕組みやメリット・デメリットをご紹介します。
マイカーローンとは?
マイカーローンとは、車の購入費用を金融機関などで貸し付けてもらうことができる、車購入に特化したローンです。借入までの流れは申し込みから始まり、必要書類の提出、審査、契約手続き、借入となります。
借入をする金融機関はさまざまで、預金を取り扱う銀行、信用金庫、労働金庫や、ノンバンクと呼ばれる預金を扱わない信販会社や損害保険会社などです。
金利は一律ではなく金融機関やローン会社によって利率が上下し、貸付条件も異なります。そのため、借入をする金融機関選びは非常に大切です。
また、マイカーローンは取扱会社によって商品名も異なり、カーローンまたはオートローンと呼ばれることもあります。
マイカーローンの用途
マイカーローンは車の購入だけでなくさまざまな用途があります。車の購入費以外の例で代表的なのは運転免許証の取得費用です。他にも車の修理費・車検にも使われます。
またカーナビなどの自動車関連用品の購入資金や、自転車、自転車関連商品の購入もローン範囲内です。使い方には注意が必要ですが、金融機関・他社からの借換資金にも充てることができます。
マイカーローンのメリット・デメリット
さまざまな購入費に充てることができるマイカーローンですが、デメリットもあります。特に注意すべきなのが金利です。例として頭金なしで250万円の車を購入したとします。条件は返済期間5年、ボーナス払いなし、金利4.475%です。
総返済額は279万4,740円となり、利息だけで29万4,740円を支払うデメリットが発生します。経済状況によっては大きな負担です。
しかし、ローンを利用すれば手元にまとまった金額が用意できない時でも車を購入できます。最終的な総額が増えたとしても、購入時の負担を減らせるという点がマイカーローンのメリットです。
マイカーローンは中古車にも使える
中古車の購入時にもマイカーローンを使うことができます。新車と比べリーズナブルな価格で購入できる中古車ですが、車の状態や車種によってはまとまった金額が必要です。
人気車種ともなると中古市場での流通も早いため、貯金をしている間に目当ての車が売れてしまう可能性もあります。また、中古市場では車種によっては新車以上の価格であることも珍しくありません。
そういった場合でも、ローン使うことでチャンスを逃さず希望の車を購入することができます。
これだけではなく、ローンと中古車を組み合わせることで新車では手が出しにくかった1ランク上のグレードでも購入することが可能です。
マイカーローンの種類
マイカーローンの仕組みが分かったとしても、実際にローンを組むには自分に合ったものを選ぶことが重要です。
マイカーローンには銀行系、ディーラー系、自社ローン系など多種多様であるため、どれを選ぶべきか分からないこともあるでしょう。ここではマイカーローンの種類について紹介していきます。自分に合ったローンを見つけるための参考にしてください。
銀行系のマイカーローン
借り入れを行う際、日常生活で関わりが深い銀行は安心して利用することが出来る金融機関のひとつです。
ディーラー、自社ローンに比べ銀行系のローンは審査が厳しいため、勤続年数が浅い、他社に借り入れがあるなど、状況によっては審査が通らない可能性があります。
ほか、アルバイトや専業主婦(夫)など収入が不安定な場合も銀行によっては審査を通すことが難しいため、ほかの金融機関での検討が必要です。
銀行系のマイカーローンは、ローンを組んでいる最中であっても車の所有権は銀行ではなくユーザーにあります。そのため車のカスタマイズや売却など返済中であっても可能です。
また、頭金を入れる必要がないため、まとまった金額が無くても申し込むことができます。金利は約1%から4%とほかの金融機関、ローン会社よりも全般的に安いことから、可能であれば利用したいマイカーローンのひとつです。
ディーラー系のマイカーローン
銀行系では厳しいと感じた場合は、ディーラーでローンを組むという方法があります。ディーラー系のマイカーローンは銀行系に比べ審査が通りやすいため、銀行で審査が通らなかった場合でもローンを組むことが可能です。
しかし、収入が不安定であったり過去に金融事故を起こしていたりする場合などは、審査に落ちてしまう可能性があります。また、他社からの借入れが多い場合も注意が必要です。金利はディーラーによって異なるためよく吟味する必要があります。ディーラーローンの金利は平均3%から9%となり、銀行系のマイカーローンと比較すると割高です。
ディーラーのマイカーローンは手続き・審査ともに銀行系に比べスピーディーなため急いで車を購入したいと考える人に向いていますが、ディーラーローンを組むうえで気を付けなくてはならない点もあります。
ディーラーでローンを組んだ場合、担保は購入した車です。ローンを払い終わるまで車のカスタマイズには一定の制限がかかり、支払いが完了するまで車を売却することができません。
自社ローン系のマイカーローン
2つのマイカーローンと若干異なるものが自社系のローンです。借り入れではなく、分割払いとなります。自社のローン系では、審査を任されているのは販売店です。そのため、銀行・ディーラーよりも審査が通りやすく、金融事故を起こしている場合やアルバイトであっても審査が通る可能性があります。
金利も無料であるケースが多いため一見得だと感じますが、販売店によっては保証料や頭金が必要なことも多いため、ある程度まとまった金額が必要です。また、契約内容が会社によって異なるため注意深く確認する必要があります。
残価設定型ローンとは?
このローンの最大の特徴は、購入した車の下取り価格を「残価」として設定し、それを差し引いた分が支払額となる点です。
200万の車を購入し、数年先の買取保証額が50万円だとします。この場合、最終支払い額は買取保証額を抜いた150万円です。
車を購入したと同時に、車を下取りに出す前提でローンが組まれます。月の支払いが完了した後は、車を購入店に返却する、乗り換える、車に乗り続けるといった選択肢があり、車に乗り続けるを選んだ場合は残価の支払いが発生します。
車の返却・乗り換えを選択した場合は車を購入店に返却するため、残価の支払いは発生しません。また、残価型ローンはカスタマイズできないなど一定の条件があるため、前もって確認することが大切です。
一見リースと似ていますが、残価設定型ローンは多くのディーラー、また一部の中古車販売店でも利用が可能なため、リースよりも利用しやすいローンとなります。
マイカーローンの選び方
ローンには銀行やディーラー、自社ローンといった種類のほかに、固定金利や変動金利などを選ぶ必要があります。
金利に馴染みがない場合は難しいと感じるかもしれませんが、選ぶ物によっては支払総額が変わるためしっかり理解しておくことが大切です。
固定金利と変動金利がある
ローンを組む場合、固定金利と変動金利のどちらかを選ぶことができます。固定金利は文字通り金利が固定されているため、毎月の返済額は支払い終わるまで変わりません。
一方、変動金利は市場の動向に左右されます。景気が良くなると上がり、悪くなると下がるといった仕組みです。市場の動向次第では固定金利よりも最終支払額が高くなる可能性もあれば、反対に安くなることもあるため、毎月の返済額は一定とは言えません。
安定の固定金利を選ぶか、リスクはあるものの安く済む変動金利を選ぶか、ローンを組む前に一度シミュレーションしてみることをおすすめします。
手数料を含む支払総額を把握する
銀行やディーラーなど、マイカーローンを組む際には借入金の他に事務手数料や保証費用などが発生します。印紙代などの費用もかかるため、最終支払総額は借入金と同額になることは滅多にありません。
思っていた金額と違うといった事態や、使途不明な手数料が加算されていた場合は、後のトラブルにつながる可能性があります。そういった状況に陥らないためにも支払総額の把握が必要です。
万が一不明な手数料が発生していた場合は、ローンを組む前に納得できるまできちんと説明を受けておきましょう。
ボーナス払いが可能なのか確認する
均等払いに比べ、ボーナス払いは月の返済額を減らすことができるため便利な支払い方法です。しかし金利の計算が複雑なため、ボーナス払いを取り入れる場合は前もってシミュレーションしておきましょう。
ボーナス払いは便利である一方リスクも高い支払い方法です。ボーナスは景気に左右されるため、会社の状況によっては減額、または出ない可能性も考えられます。経済状況によっては支払いができなくなる可能性がある、ということを念頭に置いておきましょう。
そのような事態を避けるためにも、事前にボーナス払いから均等払いに切り替えることができるのかどうかの確認も必要です。
利息の支払い方法を選択
ローンでは利息の支払い方法を選択することができます。支払い方法に選択できるのは元利均等返済と元金均等返済です。
元利均等返済は、元金と利息を調整して支払います。毎月の返済額は変わらず一定ですが、元金の減りが遅く、支払総額では元金均等返済よりも高くなるため注意が必要です。
メリットとしては返済開始当初は元金均等返済よりも支払い額が少なく、家計収支の予想が立てやすいといった点があります。
元金均等返済は、利息を合わせず元金だけを均等に返済するものです。均等にされた元金に利息分が上乗せされるため、返済開始当初は元利均等返済よりも返済額が高くなりますが、月を追うごとに安くなり支払総額も少なく済みます。
後のメリットを考えた場合、経済状況に余裕があれば元利均等返済よりも元金均等返済がおすすめです。。
マイカーローンの審査の注意点は?
ローンを組む際に、特に心配となるのは審査についてです。審査が通らなければ、一括で車を購入する必要があるため、まとまった金額が用意できなければ車を購入することができません。
効率良く審査を通すために、ローン審査にあたっての注意点について確認しましょう。
仮審査を利用してみる
本審査の前に仮審査を利用することで、審査が通る大まかな確率を知ることができます。仮審査は金融機関によって項目が異なることもありますが、大抵は年齢や年収、借入希望額などの情報が必要です。
仮審査にはすぐに結果が出るもの、後日結果が送られるものがあります。審査が通るかどうかの目安になり、また今後を検討する材料にもできるため、仮審査は受けておいた方がいいでしょう。
頭金はできるだけ用意するのがおすすめ
ある程度まとまった頭金を用意することで借入額を減らすことができます。借入額が減ることによりローンの審査が通りやすくなるため、資金に余裕がある場合は頭金の用意がおすすめです。
一般的に借入額が少ない方が審査に通りやすいと言われていますが、頭金を用意することで経済力があると証明できる点も審査の通りやすさにつながります。
また、利息による支払い額を減らすことも可能です。一時的な負担はあるものの、長期的に考えるとメリットは大きいため、できるだけ頭金は用意しておくことをおすすめします。
補助金や保証人など必要に応じて準備を
補助金申請をする、条件により保証人が必要である場合には、審査を受ける前に準備を始めましょう。
車で受けられる補助金にサポカー補助金やCEV補助金がありますが、これらはそれぞれ申し込みが必要です。
例としてサポカー補助金の申請から交付までの流れをご紹介すると、車の購入→申請書類の提出→審査→振込となります。書類や詳細については、次世代自動車振興センターのホームページよりご確認ください。
保証人が必要になるケースは審査を受ける人の状況により、一般的には収入が低い、または不安定である場合などに必要となります。一人では審査が通らない場合でも保証人を立てることでローンを組むことが可能となる場合があるため、前もって家族など信頼できる人に保証人を頼んでおきましょう。
(参考:『一般社団法人 次世代自動車振興センター』)
マイカーローンと他のローンを同時に組まない
他のローンを組んでいる場合、審査で重要となるのは「年収と借入金額の合計」です。金融機関によってさまざまですが、年収に対し約30%~40%が借入額の上限目安だと言われています。
他社からの借入金がある場合はマイカーローンで借りられる金額が少なくなるため、審査を通りやすくするためにも金額によっては他社での借り入れを返済しておくなど対策が必要です。
また、審査にはクレジットカードのキャッシング枠も関わってくるため、心配な場合は解約、もしくは利用限度額を減らすなどの対応をしておきます。
返済可能な範囲で申請する
年収に対して無理のない金額を借入れることは審査が通りやすくなるポイントでもあります。上記でも触れたように借入金と年収は審査にとって重要なポイントです。
年収の30%以上の借入は審査に通るか判断が難しいところですが、無理なく返済できる範囲内の借入金ならば審査に通りやすくなるでしょう。審査が不安な場合は狙っている車のグレードを下げる、または他の車の購入を検討するなどの対策が必要です。
マイカーローンの審査が不安なら中古車がおすすめ
ローンには審査があるため、誰でも不安に感じるものです。どうしても車がほしい、また車の購入が初めての場合は、新車ではなく中古車をおすすめします。
ローン審査で重要となるのは借入金額の少なさです。審査は借入金が少ないほど通りやすいため、リーズナブルな価格で入手することができる中古車は理想的と言えます。
価格によっては1ランク上のグレード、欲しかった人気車種を購入するということも可能です。希望に合った車を手に入れるためにも、審査に不安がある場合はぜひ中古車を検討してみてください。
まとめ
マイカーローンは車を購入する選択肢のひとつとして多くの人に利用されています。ローンには銀行、ディーラー、自社ローンなどがありますが、それぞれ審査が必要です。
審査を通るポイントは同時ローンを避けることや頭金を入れて借入金額を抑えるといった方法があります。しかし、手元にまとまった金額が無い、他社のローンをすぐに返済できない場合は、中古車購入で借入金を抑える方法がおすすめです。
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